ここでは、さまざまなプラットフォーム用の
MySQL
バイナリディストリビューション(.tar.gz
アーカイブ)について説明します(詳細な一覧については、項2.2.8. 「MySQL AB がコンパイルした MySQL バイナリ」
を参照してください)。
これらの一般的なパッケージのほかに、選択したプラットフォームのプラットフォーム固有のパッケージ形式のバイナリも提供しています。 これらのパッケージのインストール方法の詳細については、項2.1. 「標準 MySQL のクイックインストール」を参照してください。
一般的な MySQL
バイナリディストリビューションは、gzip
形式で圧縮された GNU tar
アーカイブ(.tar.gz
)としてパッケージ化されています。MySQL
バイナリディストリビューションをインストールするためには以下のツールが必要です。
ディストリビューションを解凍するための
GNU gunzip
。
ディストリビューションをアンパックするための適切な
tar
プログラム。GNU
tar
は、有効であることで知られている。オペレーティングシステムにプリインストールされている
tar
実装の中には、長いファイル名などに関する問題が発生することが知られているものがある(Sun
tar
など)。その場合は、まず
GNU tar
をインストールする。
問題が発生した場合は、MySQL
メーリングリストに質問を投稿するときに、必ず
mysqlbug
を使用してください。その問題がバグでない場合でも、mysqlbug
は、他のユーザが同じ問題を解決する際に役立つシステム情報を収集します。mysqlbug
を使用しないと、問題を解決できる可能性が小さくなります。ディストリビューションをアンパックすると、bin
ディレクトリに mysqlbug
が格納されます。 See 項1.7.1.3. 「バグまたは問題を報告する方法」。
MySQL バイナリディストリビューションをインストールして使用するために実行する必要のある基本的なコマンドは、以下のとおりです。
shell>groupadd mysql
shell>useradd -g mysql mysql
shell>cd /usr/local
shell>gunzip < /path/to/mysql-VERSION-OS.tar.gz | tar xvf -
shell>ln -s full-path-to-mysql-VERSION-OS mysql
shell>cd mysql
shell>scripts/mysql_install_db
shell>chown -R root .
shell>chown -R mysql data
shell>chgrp -R mysql .
shell>bin/mysqld_safe --user=mysql &
4.0 より前のバージョンの MySQL
を使用している場合は、最後のコマンドの
bin/mysqld_safe
を
bin/safe_mysqld
に置き換えてください。
DBI
および DBD-mysql
Perl
モジュールをインストールしている場合は、bin/mysql_setpermission
スクリプトを使用して新しいユーザを追加できます。
以下に詳細な説明を示します。
バイナリディストリビューションをインストールするには、以下のステップに従って処理を行った後、項2.4. 「インストール後の設定とテスト」 に進み、インストール後の設定とテストを行います。
ディストリビューションのアンパック先とするディレクトリを決め、そのディレクトリに移動する。以下の例では、ディストリビューションは
/usr/local
にアンパックされる(したがって、以降の操作説明は、/usr/local
内にファイルおよびディレクトリを作成するためのアクセス権をユーザが持っていることを前提として書かれている。
そのディレクトリが保護されている場合は、root
としてインストールを実行する必要がある)。
項2.2.1. 「MySQL の入手方法」 に記載されているいずれかのサイトからディストリビューションファイルを入手する。
MySQL
バイナリディストリビューションは、圧縮された
tar
アーカイブとして提供され、mysql-VERSION-OS.tar.gz
などの名前が付いている。この場合、VERSION
はバージョン番号(3.21.15
など)を表し、OS
はそのディストリビューションが対象とするオペレーティングシステムを示す(pc-linux-gnu-i586
など)。 注意: すべてのバイナリは、同じ
MySQL
ソースディストリビューションからビルドされている
mysqld
の実行時に使用するユーザとグループを追加する。
shell>groupadd mysql
shell>useradd -g mysql mysql
上記のコマンドで、mysql
グループと mysql
ユーザが追加される。useradd
と
groupadd
の構文は、Unix
のバージョンの種類によって少し異なる。これらのコマンドは、それぞれ、adduser
および addgroup
と呼ばれることもある。
ユーザとグループを mysql
以外の名前にしてもかまわない。
以下のコマンドで、目的のインストールディレクトリに移動する。
shell> cd /usr/local
ディストリビューションをアンパックする。これによって、インストールディレクトリが作成される。 次に、そのディレクトリへのシンボリックリンクを作成する。
shell>gunzip < /path/to/mysql-VERSION-OS.tar.gz | tar xvf -
shell>ln -s full-path-to-mysql-VERSION-OS mysql
GNU tar を使用して、最初の行を以下の代替コマンドに置き換えて、ディストリビューションの展開と抽出を一度に行うこともできる。
shell> tar zxvf /path/to/mysql-VERSION-OS.tar.gz
最初のコマンドで、mysql-VERSION-OS
という名前のディレクトリが作成される。2
番目のコマンドで、そのディレクトリへのシンボリックリンクが作成される。これによって、インストールディレクトリを
/usr/local/mysql
としてより簡単に参照できるようになる。
以下のコマンドで、インストールディレクトリに移動する。
shell> cd mysql
mysql
ディレクトリ内には、いくつかのファイルとサブディレクトリがある。
インストールのために最も重要なのは、bin
サブディレクトリと scripts
サブディレクトリである。
このディレクトリにはクライアントプログラムとサーバが格納されている。
シェルが MySQL
プログラムを正しく検索するように、PATH
環境変数にこのディレクトリの完全パス名を追加する必要がある。
See 付録 F. 環境変数。
scripts
このディレクトリには、サーバアクセス権を保存する権限テーブルが格納された
mysql
データベースの初期化に使用する
mysql_install_db
スクリプトが格納されている。
mysqlaccess
を使用する場合、標準以外の場所に MySQL
ディストリビューションがあるときは、mysqlaccess
が mysql
クライアントを検索する場所を変更する必要がある。18
行目ぐらいにある
bin/mysqlaccess
スクリプトを編集する。以下のような行を検索する。
$MYSQL = '/usr/local/bin/mysql'; # path to mysql executable
mysql
が実際に格納されているシステム内の場所を反映するようにパスを変更する。この処理を行わないと、mysqlaccess
を実行したときに Broken pipe
というエラーが表示される。
以下のコマンドで、MySQL 権限テーブルを作成する(初めて MySQL をインストールする場合にのみ必要)。
shell> scripts/mysql_install_db
注意: バージョン 3.22.10 より前の MySQL
バージョンでは、mysql_install_db
を実行すると MySQL
サーバが起動されていた。現バージョンでは、MySQL
サーバは起動されない。
バイナリの所有者を root
に変更し、データディレクトリの所有者を
mysqld
の実行時に使用するユーザに変更する。
shell>chown -R root /usr/local/mysql/.
shell>chown -R mysql /usr/local/mysql/data
shell>chgrp -R mysql /usr/local/mysql/.
最初のコマンドでファイルの
owner
属性が root
ユーザに変更され、2 番目のコマンドで data
ディレクトリの owner
属性が
mysql
ユーザに変更される。3
番目のコマンドで、group
属性が mysql
グループに変更される。
Perl の DBI
/DBD
インタフェースのサポートをインストールする場合は、項2.7. 「Perl インストールについてのコメント」
を参照。
マシンのブート時に MySQL
を自動的に起動させる場合は、使用しているシステムの起動ファイルが格納されている場所に
support-files/mysql.server
をコピーする。詳細については、support-files/mysql.server
スクリプト自体と 項2.4.3. 「MySQL を自動的に起動および停止する」
を参照。
すべてのものをアンパックしてインストールしたら、ディストリビューションの初期化とテストを行ってください。
以下のコマンドで MySQL サーバを起動することができます。
shell> bin/mysqld_safe --user=mysql &
4.0 より前のバージョンの MySQL
を使用している場合は、このコマンドの
bin/mysqld_safe
を
bin/safe_mysqld
に置き換えてください。
次に、項4.8.2. 「mysqld_safe
(mysqld
のラッパ)」 に進み、See
項2.4. 「インストール後の設定とテスト」
を参照してください。
This is a translation of the MySQL Reference Manual that can be found at dev.mysql.com. The original Reference Manual is in English, and this translation is not necessarily as up to date as the English version.