データあるいは SQL ノードを実行する各 MySQL Cluster のホスト コンピュータには MySQL サーバーバイナリをインストールする必要があります。マネジメント ノードには MySQL サーバーバイナリをインストールする必要はありませんが、MGM サーバーデーモンおよびクライアント バイナリ (それぞれ ndb_mgmd および ndb_mgm) をインストールする必要があります。この項では各種のクラスタ ノードに適切なバイナリをインストールするために必要なステップについて説明します。
MySQL AB
ではクラスタをサポートするコンパイル済みのバイナリを提供していますので、通常これらをお客様ご自身でコンパイルする必要はありません。ですから、各クラスタ
ホストのインストール
プロセスの最初のステップはファイル
mysql-5.1.15-beta-pc-linux-gnu-i686.tar.gz
を MySQL downloads
area
からダウンロードすることです。それを各マシン
/var/tmp
ディレクトリに配置したものと想定します。(カスタムのバイナリが必要な場合には、
項2.9.3. 「開発ソース ツリーからのインストール」
を参照してください。)
RPM も 32 ビットおよび 64 ビットの Linux プラットフォームに利用できます。MySQL Cluster 1 台につき 4 つのRPM が必要です。
サーバー RPM
(例えば、MySQL-server-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は、 MySQL サーバーの動作に必要なコア
ファイルを提供します。
サーバー/Max RPM
(例えば、MySQL-Max-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は、MySQL
サーバーにクラスタをサポートしたバイナリを提供します。
NDB Cluster - ストレージ
エンジン RPM
(例えば、MySQL-ndb-storage-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は、MySQL Cluster にデータノード バイナリ
(ndbd) を提供します。
NDB Cluster - ストレージ
エンジン マネジメント RPM
(例えば、MySQL-ndb-management-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は MySQL Cluster にマネジメント
サーバーバイナリ (ndb_mgmd)
を提供します。
さらに、NDB Cluster
を取得する必要があります - ストレージ
エンジンの基本ツール RPM
(例えば、MySQL-ndb-tools-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は、MySQL Cluster
で使用するいくつかの有用なアプリケーションを提供します。これらのうちで重要なものは
MySQL Cluster マネジメント クライアント
(ndb_mgm) です。NDB
Cluster - ストレージ エンジン予備ツール
RPM
(例えば、MySQL-ndb-extra-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
)
は、いくつかの追加テストおよびモニタリングのプログラムが含まれていますが、MySQL
Cluster
のインストールには必要ありません。(これらの追加プログラムの詳細に関しては、項14.9. 「クラスタ ユーティリティ プログラム」
を参照してください。)
RPM ファイル名 (5.1.15-beta
として表示) の MySQL
のバージョン番号は実際に使用するバージョンによって変わります。インストールするすべてのクラスタ
RPM の MySQL
バージョン番号が同じであることが非常に重要です。glibc
バージョン番号 (使用している場合 —
glibc23
として表示)、およびアーキテクチャ名
(i386
として表示) は RPM
をインストールするマシンに適したものであることが必要です。
MySQL AB 供給の RPM を使用した MySQL をインストールに関する一般情報は、 項2.4. 「Linux に MySQL をインストールする」 を参照してください。
RPM のパッケージをインストールした後、さらに 項14.3.3. 「マルチ コンピュータの設定」 で説明するクラスタを設定する必要があります。
注:インストールを完了しても、まだどのバイナリも起動しないでください。すべてのノードの設定が終了した段階で、起動の仕方を説明します。
データおよび SQL
ノードのインストール —
.tar.gz
バイナリ
データあるいは SQL
ノードのホスト用の各マシンで、システム
root
ユーザーとして以下のステップを踏みます。
/etc/passwd
および
/etc/group
ファイル
(あるいはユーザーおよびグループを管理のためのお客様のオペレーティング
システムで提供されたツール)
をチェックし、mysql
グループおよび mysql
ユーザーがシステムに既に用意されているか確認します。OS
の
ディストリビューションの中にはこれらをオペレーティング
システムのインストール
プログラムとして作成している場合もあります。それらがまだ作成されていない場合、新たに
mysql
ユーザーグループを作成し、mysql
ユーザーをこのグループに追加します。
shell>groupadd mysql
shell>useradd -g mysql mysql
useradd および groupadd の文法は Unix のバージョンによって多少異なる場合があり、またadduser および addgroup などの別な名前を使用している場合もあります。
ダウンロードしたファイルを含むディレクトリにロケーションを変更し、アーカイブを開いて、mysql
に symlink
を作成します。実際のファイル名およびディレクトリ名は
MySQL
のバージョン番号によって異なる場合があります。
shell>cd /var/tmp
shell>tar -C /usr/local -xzvf mysql-5.1.15-beta-pc-linux-gnu-i686.tar.gz
shell>ln -s /usr/local/mysql-5.1.15-beta-pc-linux-gnu-i686 /usr/local/mysql
ロケーションを mysql
ディレクトリに変更し、供給されたスクリプトを実行してシステムのデータベースを作成します。
shell>cd mysql
shell>scripts/mysql_install_db --user=mysql
MySQL サーバーおよびデータ ディレクトリに必要な許可を設定します。
shell>chown -R root .
shell>chown -R mysql data
shell>chgrp -R mysql .
データノードをホストしている各マシンのデータ
ディレクトリは
/usr/local/mysql/data
であることを確認します。マネジメント
ノードを設定する際にこの情報が必要になります。(項14.3.3. 「マルチ コンピュータの設定」
参照。)
適切なディレクトリに MySQL 起動スクリプトをコピーし、実行できる状態にし、オペレーティング システムがブートしたときに起動できるように設定します。
shell>cp support-files/mysql.server /etc/rc.d/init.d/
shell>chmod +x /etc/rc.d/init.d/mysql.server
shell>chkconfig --add mysql.server
(起動スクリプトのディレクトリはオペレーティング
システムおよびバージョンによって異なる場合があり—
例えば、 いくつかの Linux
ディストリビューションの場合、それは/etc/init.d
となります。)
ここでは起動スクリプトのリンクの作成に Red Hat の chkconfig を使用します。Debian の update-rc.d などお客様のオペレーティング システムおよびディストリビューションでこの目的に適切と思われるものを使用します。
データノードおよび SQL ノードが常駐する各マシンで前に説明したステップを個別に実行する必要がありますので忘れずに実行してください。
SQL ノードのインストール — RPM ファイル
クラスタ SQL ノードをホストに使用する各マシンで、以下のコマンドをシステムのルート ユーザーとして実行して MySQL Max RPM をインストールし、RPM に表示された名前を必要に応じて MySQL AB のウェブサイトからダウンロードした RPM に一致する名前に置き換えます。
shell>rpm -Uhv MySQL-server-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
shell>rpm -Uhv MySQL-Max-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
これによりインストールに必要なすべての MySQL
サポート ファイルおよび MySQL
サーバーバイナリ (mysqld) を
/usr/sbin
ディレクトリにインストールします。これにより
mysql.server および
mysqld_safe 起動スクリプトもまた
/usr/share/mysql
および
/usr/bin
にそれぞれインストールします。RPM
インストーラが一般的な設定の操作を
(必要に応じて mysql
ユーザーおよびグループの作成)
を自動的に実行します。
データノードのインストール — RPM ファイル
クラスタのデータノードをホストするコンピュータには NDB Cluster - ストレージ エンジン RPM のみをインストールする必要があります。インストールするには、この RPM をデータノードのホストにコピーし、以下のコマンドをシステム ルートのユーザーとして実行し、RPM に表示された名前を必要に応じて MySQL AB のウェブサイトからダウンロードした RPM に一致する名前に置き換えます。
shell> rpm -Uhv MySQL-ndb-storage-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
前のコマンドで MySQL Cluster データノード
バイナリ (ndbd) を
/usr/sbin
ディレクトリにインストールします。
マネジメント
ノードのインストール —
.tar.gz
バイナリ
(MGM) ノードのインストールには
mysqld
バイナリをインストールする必要はありません。MGM
サーバーとクライアントにのみバイナリが必要で、それはダウンロードしたアーカイブにあります。再度このファイルを
/var/tmp
に配置したか確認します。
システム root
(つまり、sudo、su
root、あるいはお客様のシステムで相当するものを一時的にシステムの管理者のアカウント権限として)として、
以下のステップを実行して ndb_mgmd
および ndb_mgm を Cluster
マネジメント
ノードのホストにインストールします。
ロケーションを /var/tmp
ディレクトリに変更して、ndb_mgm
および ndb_mgmd
をアーカイブから /usr/local/bin
などの適切なディレクトリに抽出します。
shell>cd /var/tmp
shell>tar -zxvf mysql-5.1.15-beta-pc-linux-gnu-i686.tar.gz
shell>cd mysql-5.1.15-beta-pc-linux-gnu-i686
shell>cp /bin/ndb_mgm* /usr/local/bin
(ダウンロードしたアーカイブを開いたときに作成されたディレクトリとそれが含んでいるファイルを
/var/tmp
から、
ndb_mgm
および ndb_mgmd
が実行可能なディレクトリにコピーされたら削除できます。
ファイルをコピーしたディレクトリにロケーションを変更し、次にその両方を実行出来るようにします。
shell>cd /usr/local/bin
shell>chmod +x ndb_mgm*
マネジメント ノードのインストール — RPM ファイル
MySQL Cluster マネジメント サーバーをインストールするには、NDB Cluster - ストレージ エンジン マネジメント RPM のみを使用する必要があります。この RPM をマネジメント ノードをホストするコンピュータにコピーし、次にそれを以下のコマンドをシステム ルートのユーザー(RPM に表示された名前を必要に応じて MySQL AB ウェブサイトからダウンロードしたストレージ エンジン マネジメント RPM に一致する名前に置き換えます) としてインストールします。
shell> rpm -Uhv MySQL-ndb-management-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
これによりマネジメント サーバーバイナリ
(ndb_mgmd) を /usr/sbin
ディレクトリにインストールします。
また ストレージ
エンジン基本ツール RPM で供給された
NDB
マネジメント
クライアントをインストールする必要があります。この
RPM をマネジメント
ノードと同じコンピュータにコピーし、次にそれを以下のコマンドをシステム
ルートのユーザー(再度、RPM
に表示された名前を必要に応じて MySQL AB ウェブ
サイトからダウンロードしたストレージ
エンジン基本ツール RPM
に一致する名前に置き換えます)
としてインストールします。
shell> rpm -Uhv MySQL-ndb-tools-5.1.15-beta-0.glibc23.i386.rpm
ストレージ
エンジンの基本ツール RPM は MySQL Cluster
マネジメント クライアント
(ndb_mgm) を /usr/bin
ディレクトリにインストールします。
項14.3.3. 「マルチ コンピュータの設定」 で、弊社の参考クラスタですべてのノードに設定ファイルを作成します。